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「寝起きで頭がさえない」「眠気をふきとばしたい」など、身体を目覚めさせたり、頭をスッキリさせたいときにコーヒーを飲む方も多いのではないでしょうか? しかし、眠気覚ましや気分転換のために飲んでいても、そのタイミングによっては逆に眠れない原因になってしまうことがあるそうです。

「寝る前のコーヒー」はメラトニン分泌の乱れにつながる

 

コーヒーを飲むと目が覚める・眠れなくなるのは一般的に広く知られており、コーヒーに含まれているカフェインは人間の体内時計に影響します。体内時計は脂肪、筋肉、肝臓、脳などにある全身の細胞と関わりあっており、そのリズムに乱れが生じれば身体の機能が正常に働かないといった悪影響を及ぼします。

 

体内時計をコントロールしているのが、メラトニンと呼ばれる脳から分泌されるホルモンです。メラトニンは体内時計に働きかけ、覚醒から睡眠へと自然な眠りを誘う作用があり、「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。そんなメラトニンの分泌に関して、コーヒーが与える影響を調べる実験が行われました。

 

『Science Translational Medicine誌』に発表された研究では、被験者5人に対して眠りにつく3時間前にエスプレッソコーヒー2杯分を飲んでもらい、その後、睡眠ホルモンであるメラトニン濃度を測定するという実験を行いました。

 

その結果、エスプレッソコーヒーを飲んだ被験者は飲んでいない場合よりも、メラトニン濃度が最大になるまでの時間が平均で40分ほど遅くなることが分かったそうです。この40分の変化は、寝つきを悪く、眠れない状況を助長し、翌朝の目覚めを悪化させるほか、睡眠不足が続けば免疫系にもダメージがあると指摘されています。

コーヒーを飲むのに最適な時間は?

 

もちろん、寝る前にコーヒーを飲むのはカフェイン摂取で不眠状態になる恐れがありますが、意外なことに「朝の一杯」も睡眠に悪影響を与えるようです。その原因が、ストレスホルモンとして知られる「コルチゾール」に由来しています。

 

コルチゾールには「体内時計をコントロールする」という効果があります。このコルチゾールは、朝8時から9時の間くらいに最も多く分泌され、これによって身体を目覚めさせます。この時間帯にカフェインを摂取してしまうと、身体はコルチゾールの分泌を抑制してしまうのです。

 

つまり、朝コーヒーを飲むこと繰り返していると、「カフェインなしでは覚醒しにくい身体」になってしまい、朝のスッキリとした目覚めが遠のき、眠る時間もずれていくという悪循環に陥ってしまいます。とはいえ、「体内時計を気にして1日中コーヒーを我慢する」必要はありません。前述の研究者はコーヒーを飲むのに最適な時間として、コルチゾールの分泌量が下がる「午前10時から12時、午後2時から5時」の時間帯を挙げています。

 

「大好きなコーヒーで体内時計が狂って不眠になってしまった」なんてことにならないよう、悪影響が心配される時間帯を避け、適切な時間に飲むことを心がけたいものです。

 

参考
※1 Effects of caffeine on the human circadian clock in vivo and in vitro

 

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photo:Thinkstock / Getty Images

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