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「寝る子は育つ」といわれるように、小さな子ども、特に生後1カ月~3歳までの乳幼児にとって睡眠はとても重要です。しかし環境省が2011年から行っている「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」によれば、2015年の調査で就寝時間が22時を超えている3歳児が約30%もいることがわかっています。

 

加えて、就寝時間が遅くなればなるほど睡眠時間も短くなる傾向にあります。子どもの睡眠不足は成長に悪影響を及ぼすため、軽視できない問題です。子どもたちの睡眠不足の裏には、どんな事情があるのでしょうか。

 

出典:子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)

働くママの子どもは寝る時間が遅め!?

 

平成24年に実施された厚生労働省の「第3回21世紀出生児縦断調査(平成22年出生児)」によれば、子どもの就寝時間で最も多いのが「夜9時台」で39.2%、次いで「夜10時台」が31.8%。この調査は対象児を2歳6カ月としていますが、3歳未満の子どもの就寝時間として、夜9〜10時台が70%を超えるのは、やはり夜更かしの印象があります。

 

出典:第3回21世紀出生児縦断調査(平成22年出生児)

 

この調査によってもう一つわかったのが「子どもの就寝時間」と「母親の就業の有無」の関係です。子どもの就寝時間が夜9〜10時台で母親が仕事をしている割合は80.2%、同じく母親が仕事をしていない割合は66.9%と、母親が無職のほうが子どもが早寝の傾向にありました。

 

いまは働くママが非常に多い時代。仮に19時まで働いているとしたら、子どもの就寝時間が後ろ倒しになるのは仕方のないことかもしれません。しかし、働くママの増加と子どもの夜型化の進行が比例しているのは見過ごせない事実でもあります。また、40歳以上のママの子どもも遅寝の傾向にあります。

 

これは上の兄姉の影響があることが指摘されています。将来の生活習慣の基盤をつくる大事な時期だからこそ、子どもの睡眠に気を配る必要がありそうです。

侮れない子どもの睡眠不足。発育への悪影響だけじゃない!

 

アメリカの国立睡眠財団によれば、1〜2歳児は1日11〜14時間、3〜5歳児では1日11〜13時間の睡眠が必要とされています。しかし厚生労働省の同調査によると、子どもたちの起きる時間は「午前7時台」が46.9%「午前6時台」が30.5%と、遅寝・早起きの傾向が強まっていることがうかがえます。

 

親の都合や環境の影響で就寝時間が遅くなりがちな子どもたちですが、これが続くと、身体の成長が遅れ、睡眠不足による注意力や集中力の低下を招く他、生活習慣病のリスクを上げ、さらには睡眠障害にも発展しかねません。実際、国内外の調査では「睡眠不足の子どもは肥満になりやすい」とも報告されています。

 

睡眠時間にも個性がある! まずは「早起き」から。

 

大人でも必要な睡眠時間に個人差があるように、成長過程の子どもにもその子どもに必要な睡眠時間には個人差があることがわかっています。

 

昼寝が必要かどうか、また、その日の体調によって睡眠時間の長さや質には変化があるもの。例えば昼寝をすることで夜の寝つきが悪くなったり、朝の寝起きなどに変化があると親が感じる場合は、昼寝をさせないという選択肢もあります。

 

子どもにとっては「生活リズムを整えること」が何より大切で、そのためには練習と努力が必要です。まずは「早寝」より「早起き」から始めてみましょう。遅寝が定着している子どもにとって、早寝は最初はなかなかうまくいきませんが、起きる時間を決め、子どもがなるべく同じ時間に起きられるよう親が調整していきましょう。

 

すると体内時計が徐々に朝型に変わります。早起きをすれば、自然に夜は眠くなるはず。早寝にもつながり、その後のよい循環が生まれます。

 

子どもの睡眠不足を改善する第一歩は「朝型」を目指すことから。子どもを寝かしつけるツールとして使われている子ども用のタブレットや玩具、映像なども、実は子どもにとっては早寝できない要因になっていることもあります。大切な成長期の睡眠だからこそ、親が見守って、調整してあげることが必要です。

 

<参考記事>
第3回21世紀出生児縦断調査(平成22年出生児)
子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査) おしえて、エコチル先生!(第26回)
OVO コラム『環境省が「子どもの睡眠不足」調査、発育・肥満の影響も懸念…』

 

赤ちゃん(1~6か月)とママの睡眠

年代別の睡眠時間とパターン

photo:Thinkstock / Getty Images

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