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朝起きられない、日中眠くて眠くて仕方がない…などなど、睡眠に対する悩みは多くの大人が抱えているかもしれません。しかし、いま大人だけでなく”子ども”の睡眠問題が深刻化しつつあるらしいのです。
文部科学省が2014年に発表した「不登校に関する実態調査」によれば、不登校になった生徒の3人に1人は、「睡眠など、生活リズムの乱れ」がきっかけだったと言います。睡眠のとり方を見直した方がよいのは、大人に限ったことではなさそうです。

 

そんな中、東京・銀座に“子どもの睡眠問題克服”を目的とした日本初の睡眠外来「キッズすいみんクリニック」が2015年2月にオープンし、注目を集めています。
そこで今回は、同クリニック理事長の遠藤拓郎先生に、クリニック設立の経緯やその反響などについて伺ってみました。

実は、子どもこそ睡眠問題を抱えやすい

「これまで子どもの睡眠障害は見逃されてしまうことが多かったんです」と遠藤先生。例えば、先述の「不登校」についても、「いじめ」など人間関係に対する心の要因が大きいと捉えられ、なかなか「睡眠の問題」には着目されてこなかったそう。だから「学校に行けない」と悩んだ場合、まずは心療内科にかかるというケースが多いそう。

 

「でも、その中には、睡眠を改善するだけで解決できるケースもあるかもしれません。だから、『子ども睡眠外来』という専門を設けることで、選択肢の1つとして睡眠の治療があることを広めたかった」と遠藤先生。

 

さらに「子どもは、睡眠障害にかかりやすい」とも。
「子どもは大人に比べて体内時計の調節が不得意で、不規則な生活に陥るとそれが習慣化しやすいので、細心の注意が必要なんです」。

 

設立わずかながら、同クリニックには、不登校や朝起きられずに悩む子どもが連日訪れるそう。そんな子どもたちに対してどのような治療を行っているのでしょうか。

 

「まず、睡眠計による計測で、その子どもの睡眠を細かく解析します。睡眠解析で明らかになった特徴に合わせて、幅広い治療を提案するのです。例えば昼夜逆転してしまった子どもに対しては、“治療”という方法をとります。人間の身体は、朝日を浴びることで体内時計を正常に保つことができますが、睡眠障害を抱える子どもは体内時計が狂ってしまっているので、朝早く起きられないケースが多い。そこで、太陽の代わりに強い光を人工的に浴びることで、徐々に体内時計を正常に戻していくのです」。

 

長期間、不登校に悩んでいた12歳の女の子が、この治療を行って1週間で学校に行けるようになったというケースもあったそう。

理想的な睡眠を実現するために気をつけたいこととは?

最後に、理想的な睡眠をとるために、普段の生活でどのようなことに気をつければよいのか伺ってみました。
「これは大人にも言えますが、睡眠は“質と量”という考え方が重要です。0時〜明け方6時が睡眠のコアタイムなので、その時間帯を含めてトータル7時間を目安に、質と量が伴った睡眠を習慣化するのがよいと思います」。

 

とはいえ、6月は梅雨、7・8月は熱帯夜と、これからのシーズンは理想的な睡眠習慣を実現するのは難しい気も。なにか具体的な方法はあるのでしょうか?
「人間の身体は、一度上がった体温が下がると眠くなるという作用があるので、それを利用すれば入眠しやすくなるはずです。体温が下降する目安はおおよそ2時間。例えば夜の11時に寝るのであれば、夜9時に入浴やストレッチ、軽い運動などで体温を上げるとよいでしょう」。

 

子どもがなかなか寝つかないという場合は、入浴のタイミングに気を配ると効果がありそうですね。
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取材協力:遠藤拓郎(スリープクリニック理事長・院長)
キッズすいみんクリニック
東京都中央区銀座3-8-10 銀座朝日ビル8F 「スリープクリニック銀座」内
電話番号: 03-5524-7700

 

写真:Thinkstock / Getty Images

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