プロフィール

narita
地主惠亮
地域づくり非常勤講師フミナー
30歳男性。異常に寝つきが悪く、早く布団に入っても朝焼けがいつも綺麗。東京農業大学で非常勤講師をしている。地域づくりが専門だけれど、自分の睡眠環境づくりにも勤しみたい。果たして地域と睡眠を両方つくり出すことはできるのか!

マイ不眠DATA

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人には「五感」というものがある。視覚、嗅覚、聴覚、味覚、触覚の5つだ。人間の身体はよくできていて、この五感の一つが奪われると他の感覚がより研ぎ澄まされるといわれている。たとえば、視覚が奪われれば、聴覚がより活発的になる、といった具合に。

 

ここに大きな問題がある。多くの人が、眠るときには電気を消して部屋を暗くして眠ると思う。私も例外ではなく、電気を消して、部屋を暗くして、天使のような笑顔で眠る…だったらいいのだけれど、天使のような可愛さがあることは否定しないが、とにかく眠れないのだ。

 

暗くすることで視覚が奪われる。そのためか、聴覚が敏感になり、いろいろな音を拾い、気になって仕方ない。蛇口から水が落ちる音、外を走る車の音、隣の家のテレビの音など、敏感になった聴覚は、明るかったときには気にならないような音を次々に拾い始める。

 

だったら部屋を明るいままにして眠ればいいのではないか、と思うかもしれない。けれど、それは違う。私は暗くないと眠れないタイプの人間なのだ。ただ、暗いと聴覚が敏感になる。八方塞がりなのだ。

 

耳栓をすればいいのでは、と思う人もいるだろう。それは浅はかな考えだ。私だって耳栓の存在には気がついている。実際にしたこともある。しかし、耳栓をすると、耳に「異物感」があって眠れないのだ。パーフェクトな八方塞がり。そういう大会があるなら、ぜひ出していただきたい。八方塞がり大賞金賞受賞なのだ。

 

そのため、引っ越しの際は、不動産屋さんに「とにかく壁が厚いところで」とお願いするようにしている。日当たりや最寄り駅までの距離などはどうでもいい。とにかく壁が厚く隣の部屋の音が聞こえてこない物件がいいのだ。

 

数年前のクリスマスイブに部屋で寂しく一人眠っていたら、隣の部屋から槇原敬之の「もう恋なんてしない」が、朝方までエンドレスに流れてきたことがあった。隣は男性の部屋だったのだけれど、きっと何かあったのだろう。普段はうるさいとお互い壁を蹴るという暗黙のルールがあったのだが、その日は蹴らないでおいてあげた。しかし、私はもちろん眠れず、眠れないクリスマスを過ごしたのだ。あんなクリスマスはもう嫌なのだ。

 

もちろん自分の部屋の音も気になる。冷蔵庫の「ブーン」という音も気になるので、私の部屋には冷蔵庫がない。冷蔵庫のない生活をしているのだ。また時計の秒針の音も気になるので、部屋に時計がない。というか、時計の存在自体が、眠れない自分自身にプレッシャーを与えるので、部屋にデジタル時計も置いていない。

 

それでもまだ音はする。外の音や、蛇口からたまに落ちる水滴の音など。世界は音で満ちているのだ。私の耳はかすかな音も拾う。いつか女性がこぼした悲しい涙の音を聞き、彼女のもとへ走り、その涙の原因を解決してあげたい。そして、彼女には私の安眠を作り出して欲しい。というか、彼女の悲しみの原因とかどうでもいいから、とにかく誰か、俺を安眠させてくれ。

 

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【次回の記事】よく眠れる人に話を聞いた

 

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