プロフィール

narita
山本然念
バッドトリップな日常のつけを夜毎支払う小説家フミナー
巧妙な眠気の逃げっぷりに憤りと涙を覚える、やけっぱちな自称小説家、23歳。午前3時が眠りのデッドラインなのに、簡単に越えてしまうので常にヘロヘロ。スリーピーフォローミー!!

マイ不眠DATA

  • 80
  • 4
  • ●●●タイプ

 

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積み上げられたDVDの中から『E.T.』を見つける。
「次はこれを観ようよ!!」と[フミン]に提案してみる。
「いいね! 私もこれ大好きー!」と乗り気の[フミン]。

 

そんな風に、夜中の俺は[フミン]と対話をしながら、ほぼ毎晩映画を見続ける。
俺と[フミン]は相思相愛。でも、彼女はとても気まぐれだ。

 

『E.T.』のDVDをセッティングしていると、何故か[フミン]がベッドでうとうと眠りかけている。
「どうした、まだ始まってもないぞ? さっさと観ようよ」
「でも、もう朝だよ。ほら6時」

 

時計を指差す[フミン]。すると、起床時間にセットしていたアラームが鳴り、俺は我に返る。起床時刻近くになってやっと、眠気が訪れていたのだ

 

アラームを止め、慌ててシャワーを浴びる。朝特有のスローモーションな身体は、時間を2倍速に感じさせ、あっという間に映画館のバイトへと行く時間。

 

映画が好きで、「どうせチケットをもぎるだけだろ」なんて軽い気持ちで始めた映画館のバイト。しかし、ポップコーンをひたすら炊いたり、館内を掃除したり、新作映画のネタバレに怯えながらスクリーンの中の温度管理をしたりと、これが意外と忙しい。朝8時から夕方5時までの間、集中して仕事に精を出す。

 

仕事が終わったら、まっすぐ家へ。実はここからが俺の人生の本番。デビューを目指して文学小説を書いているのだ。リングに例えれば、レフェリーやドクターやセコンドもいない完全な自己裁量。だからついつい書き続けてしまうこともある。このままだといずれはパンチドランカーになるだろう。

 

そんなこんなでボディーブローが効いてきたころ、日付が変わる。「寝なきゃいけない」と思いつつ、俺はベッドへは向かわずに、DVDに手を伸ばす。映画が好きすぎるがゆえに、寝る前に1本映画を観ないと1日が終えられない身体になってしまっているのだ。

 

まず1本目。観終わると午前2時。
ここで俺は「やっべーーーーー!! 寝なきゃ!」と焦る。

 

そのままスッとベッドに入れば、起床時刻の朝6時まで4時間ぐらいは寝られる。けれど、ここで、あの[フミン]が俺の焦りを見透かしたように現れて、ちょっかいをかけてくるのだ。
「わたし、次はこれが観たいな」

 

そうなると、もうすんなりと眠りにつけることはない。
結局、睡眠時間は多くて2時間ほどという、快眠とは程遠い日々を過ごしている。

 

[フミン]に出会ったあのころ

 

いまでは[フミン]にどっぷり浸かっている俺だけど、小学生までは睡眠に何の問題も感じていない、快眠ボーイだった。

 

[フミン]に出会ってしまったのは、中学生時代。友人宅に泊まって、そのまま寝ずに登校することが多くなったのが、出会いのきっかけだと思う。もちろんそのころの俺は授業中に爆睡。先生に叩き起こされることも多々あった。

 

さらにエスカレートし、登校するとすぐに保健室のベッドで寝て、給食の時間に復活するというのが、日々の習慣に。ひどい時には、朝友人宅から自宅に帰宅して、学校へ向かう前に体力切れ。眠れず動けずの状態でなんとか学校へ行くも、着いたのは下校時刻の5分前だった、ということもある。

 

そう、友人との遊びに夢中になっている間に、[フミン]はいつの間にか俺に寄り添い、つきまとってくるようになったのだ。

 

いまでは長い付き合いなので、何だか可愛くも思えてくるが、まともに扱えたことがないまま、今日もまたスリーピーな日々を送っている。

 

この連載を通して、どうにかこうにか[フミン]と別れを切り出すきっかけを探してみようと思う。

 

【次回の記事】俺は、理想の睡眠環境に旅立つ

 

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