レム睡眠とノンレム睡眠

人は一晩に7時間程度まとまって眠りますが、その眠りの状態は、一定ではありません。人の眠りは、「レム睡眠」と呼ばれる眠りと「ノンレム睡眠」と呼ばれる眠りでつくられています。
眠りの状態を正確に知るには、脳波、眼球運動、オトガイ筋(あご)などを複数の生体情報を測定しなければなりません。大きくわけると、レム睡眠とノンレム睡眠になり、ノンレム睡眠はその生体情報の変化から、1~4段階(1は覚醒に近い浅い眠りで、4はもっとも深い眠り)に分類されます。

レム睡眠とは?

寝ついてから1時間ほど経つと、脳波はノンレム睡眠の段階1(覚醒に近い浅い眠り)に似た形を示し、筋肉の動きは低下します。そして、左右に急速に動く眼球運動(REM<レム>=Rapid Eye Movement)がはじまります。それがこの睡眠の特徴であることから、その頭文字をとってレム睡眠と呼ばれています。

睡眠の大きな役割は大脳を休息させることですが、レム睡眠のときには大脳がある程度活性化し、夢を見ることが多いといわれています。
また、身体は力が抜けた状態になっているので、身体を休める時間だといわれていましたが、最近になって、レム睡眠時には脳が活動して記憶が整理されているということが考えられるようになりました。

ノンレム睡眠とは?

レム睡眠に対し、睡眠段階1~4は、急速な眼球運動は見られないことからノンレム睡眠(NREM<ノンレム>=Non Rapid Eye Movement)と呼ばれます。
この間、脳波は休息を示すゆっくりとした波となるため、ノンレム睡眠は大脳を休息させる眠りといわれ、身体からは熱がたくさん放出されるのが特徴です。
下等な動物はレム睡眠が多く、ノンレム睡眠は哺乳類など一部の動物に主にみられます。人間は他の動物と比べノンレム睡眠の時間が長いのは、極端に脳が発達したためだといわれています。

ふたつの眠りがある理由

身体の休むレム睡眠時に脳は目覚めていて、脳の休むノンレム睡眠時には筋肉(身体)は完全に休まないというシステムは、人間や哺乳動物が無防備な時間を最小限にするという利点があったのではないかと考えられています。

レム睡眠とノンレム睡眠は交互に現れる

人の場合、一晩のうちに、レム睡眠とノンレム睡眠が3~5回交互に出現し、1回のレム睡眠とノンレム睡眠を合わせると、約90~110分程度といわれています。

また、深い睡眠を示す睡眠段階3~4は、睡眠の前半に集中して出現し、最初の3時間で一晩の深い眠りの80~90%を占めるといわれています。それに対し、睡眠段階2やレム睡眠は、睡眠の後半に多くなります。

十分な睡眠時間とは

脳や身体の疲れをとるには、深い睡眠が現れる前半の睡眠を安定させることが重要ですが、記憶を整理し学習するためには睡眠後半も眠っていることが必要だということです。そのため、3~4時間程度では十分な睡眠とはいえません。脳と身体を休め、機能をしっかりとメンテナンスするには、7時間程度の睡眠は必要だといえるでしょう。

 

参考図書:
『睡眠とメンタルヘルス』(ゆまに書房)監修/上里一郎 編/白川修一郎

 

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