睡眠時遊行症とは

睡眠時随伴症の覚醒障害のひとつで、ねぼけ、またはいわゆる「夢中遊行症(俗称:夢遊病)」といわれるものです。
脳が眠っている状態で、身体だけ寝ぼけたように起き、行動します。俗名からは夢をみながら行動しているようなイメージがありますが、実際には基本的に夢をみることがないノンレム睡眠の間に起こっている症状です。

睡眠時遊行症の原因

はっきりとした原因は解明されていません。子どもの場合には脳が未発達であること大人の場合には他の病気が原因になっていたり、ストレスなどの影響も考えられています。

睡眠時遊行症の症状

本人には記憶がない
目的があるかのように数分~数十分間歩き回ったあと、何事もなかったかのように寝床に戻って再び眠ります。翌朝、本人にはその記憶がないのが特徴です。
受け答えがはっきりしない
周囲から見ると、意識的な行動のように見えますが、重度の寝ぼけの状態のため、話しかけても受け答えははっきりしません。
行動は日常生活の範囲内
「レム睡眠行動障害」とは対照的に、夢に反応するわけではないため、行動は日常生活の範囲内に限られます。階段の昇降やドアの開け閉め、食事や入浴、電話をしたり、テレビを観たりなどで、暴力的になったり周囲に危害を加えることはありません。

睡眠時遊行症の対処法

症状があらわれているときは、声をかけるなどしても覚醒させることは困難です。ほとんどの場合は自分で寝床に戻り、元のように眠り始めます。
子どもの場合には青年期までには自然に症状が消えることが多いため、とくに治療の必要がないこともあります。ただし、子どもでも症状が重い場合や、大人の夢遊病の場合には、薬物等の積極的な治療を検討するケースもあります。
行動範囲になる寝室周りや家の中は、できるだけケガをしないよう、壊れたり倒れたりしやすいものを置かないようにしましょう

 

参考図書:

『睡眠障害国際分類第2版(ICSD-2)』(医学書院)発行:日本睡眠学会
『睡眠障害診療ガイド』(文光堂)日本睡眠学会認定委員会ワーキンググループ監修

監修:

塩見利明先生(愛知医科大学 睡眠科 教授)

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