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フライトによって毎日の出勤時刻が異なるうえ、時差もある…。
そんな不規則な生活にならざるをえないキャビンアテンダント(以下CA)を、25年間勤めあげた里岡美津奈さん。ANA(全日本空輸株式会社)のCAとして、皇室や歴代総理、各国首相といったVIP搭乗機を担当したり、チーフパーサーとしてマネジメント業務に携わったりと、重要なポジションを経て、いつしか伝説のCAと呼ばれる存在に。長時間にわたるフライト業務や時差に苦しみ、不眠のスパイラルにはまるCAの方も多い中、どうやって25年間も最前線で活躍し続けることができたのでしょうか。その秘密に迫りました。

多忙とストレスを極めたCA時代

里岡さんがCAとしてデビューしたのは、社会進出する女性が現在より圧倒的に少なかった80年代。飛行機に乗って海外を飛び回れる仕事に強い憧れを抱き、この道を選んだそう。しかし入社当初は、不規則な生活や接客の緊張などにストレスを感じ、不眠に悩まされることもあったといいます。

 

「CAになる前はアルバイトすらしたことがありませんでした。働く苦労をほとんど知らないまま、夢ばかり膨らませてCAになったわけです。でもやっぱり社会はそんなに甘くなくて、慣れない環境やお客様とのやりとり、仕事の厳しさなど、当初はストレス過多で心も身体もボロボロに。特にCAは、フライトに合わせて勤務時間が変わるので、朝一に出勤するときもあれば、夜中に出勤することもある。そのズレに身体がついていかず、帰宅したら何もできないままベッドに倒れ込む、なんてこともしばしばでした」。

 

実際、不眠に悩み、眠れない→仕事が思うようにできない→さらに眠れない、という負のスパイラルに陥り、早期に辞めてしまう同僚の方も多かったそう。里岡さんはどのように乗り越えたのでしょうか?

 

「このままでは自分がダメになると思い、会社の寮を出ました。1人で立て直すのは難しかったので、実家の母にお願いし、同居しながら仕事を続けることにしました」。

 

本来、入社後1年間は必ず入寮していなければいけないルールだったそうですが、どうにかしなければ、という思いが強かったと言います。

 

「今思うと恥ずかしいのですが、当時、食べるものから着るものまで、家のことはすべて母に面倒を見てもらいました。でも、そのおかげで、1年かけて生活リズムを整えることができたんです。不思議なことに、その頃から仕事にもメリハリが生まれて順調に進むようになりました」。

 

里岡さんは、そのとき初めて、生活リズムを整えることがいかに大切なことかを実感したのだそう。