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お坊さん」といえば、日が昇る前に起床し、朝のうちからお堂などを拭き清めているイメージ。そんなお坊さんの早起きの秘密を解き明かせば、快眠のヒントを得ることができるかも…。

そこで訪ねたのは、臨済宗大徳寺派 瑞泉山 香林院(以下、香林院)の金嶽宗信(かねたけそうしん)さん。坐禅を広めるべく、一般人を対象とした「朝坐禅の会」を主宰し、早朝から精力的に活動されています。金嶽さんに、お坊さんの早起きの秘密や、独特の睡眠事情についてうかがいました。

そもそも、なぜお坊さんは早起きなの?

金嶽さんの考え方や生活のベースとなっている「臨済宗」は、仏教の宗派のひとつ。仏教は「お経」をルーツとする宗派と、「禅」をルーツとする宗派に大別され、臨済宗は後者なのだそう。お経は、お釈迦様と弟子のやり取りを記し、言葉で教えを説いたものですが、禅は“言葉”ではなく、“実践で教え、学ぶ”宗派です。

 

「禅という字の旧字体“禪”が『しめすへん』を使っていることからもわかるように、人に生活態度を“示す”ことを教えとしています。つまり臨済宗は、坊主が実践して見せることで、『みなさんもやってみてください』と伝える宗派なんです」と金嶽さん。

 

お寺はもともと地域に根ざし、現代よりも各家庭と深く結びついていました。その中で、お寺のお坊さんは「地域の模範」になる役割を担っており、早起きや庭の掃除など、「規則正しい生活が理想的であること」を周囲の住民に知ってもらうため、自身が実行することで示していました。しかし現代社会では「寺と各家の関係が希薄になっている」と金嶽さんは言います。

 

「“寺”に対して『お葬式』のイメージしかない、持っていない人も多いですよね。でも本来、寺は結婚式や会合など、さまざまな生活のシーンで集う場だった。私はもっと広く『寺は人々に寄り添う存在』ということを知ってもらたいんです」。

 

その一環として、香林院では毎朝7時(土は休み、日は17時〜)に『朝坐禅の会』を開き、広く一般の方に朝の大切さや禅の意味を説いています。

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