アニメにゲームに、吹き替えに…声優業に追われ、3時間睡眠は当たり前

アニメにゲームに、吹き替えに…声優業に追われ、3時間睡眠は当たり前
 
声優事務所に所属が決まり、プロになった森川さんは、アニメ、洋画や海外ドラマの吹き替え、ゲーム、オーディオドラマ、ナレーションと、養成所時代よりもさらに多忙な日々を過ごすことに。
 
「どれも声を使う仕事ではありますが、やり方はそれぞれ異なります。たとえば、ゲームの仕事は基本的に一人で、自分のセリフだけを延々と収録し続けるんです。ストーリーの流れに沿って、共演者と一緒に芝居することができないという難しさがありますね。洋画の吹き替えは、出演している俳優とセリフの長さをコンマ数秒まで合わせることが求められます。うまくセリフが言えたとしても、時間を少しでもオーバーしてしまったら、録り直しなんです」(森川さん)
 
キアヌ・リーブス、ブラッド・ピット、ユアン・マクレガー、ベン・アフレックなど、さまざまな大物ハリウッドスターの声を担当。最も記憶に残っている仕事は、映画『アイズ・ワイド・シャット』でのトム・クルーズだといいます。
 
「スタンリー・キューブリック監督作品で、キューブリックの右腕と言われるレオン・ヴィタリが日本語版のプロデューサーとして来日しました。彼の要望は、『吹き替えをするにあたって、トムと同じ動作をしてくれ』というものでした。トムが歩いていれば僕も歩き、ベッドシーンでは、スタジオ内にベッドが持ち込まれて、そこに横になってセリフを言いました。こんな収録は、後にも先にも、この作品だけですね。大変でしたが、トムが、僕の吹き替えが全世界で一番いいと絶賛してくれて、映画で使われた舞踏会の仮面をプレゼントしてくれました」(森川さん)
 
声優の仕事には、気持ちの切り替えが大事。一つの現場が終わると、すぐ次の現場が控えていて、別のキャラクターを演じなければいけません。
 
「最も多い日では、1日7本か8本の収録をこなします。スタッフの方が待ち構えていて、僕が現場に到着したら、即収録。終わったら、サッと移動するという分刻みのスケジュールです。売れている声優さんは、そうやって仕事をしている人が多いですね」(森川さん)
 
平均的な睡眠時間を尋ねると、「3時間」という驚くべき答えが返ってきました。
 
毎日、2時過ぎに寝て6時前には起きます。ここ10年くらい、それを続けてきて、今ではすっかり慣れてしまいました。『いつ寝ているんですか?』とよく尋ねられるのは、そういうワケだからです」(森川さん)
 
だからこそ森川さんの睡眠時間は貴重。短いからこそ少しも無駄にはしません。
 
「夜、布団に入ると、早く眠らなくちゃと思う暇もなく熟睡しています。寝起きもよくて、不眠で悩んだことは全くないですね」(森川さん)
 
目覚めたら、すぐに仕事を開始。その日の収録分の台本や資料映像のチェックと、リハーサルを、毎朝の日課にしているそうです。
 
睡眠時間が足りないなと思ったら、移動中のクルマの中で補完しています。次の現場まで20分眠れるなと思うと、車を止めて、タイマーをかけて眠るんです。僕にとっての睡眠は、それだけで十分なので、みなさんの参考にはならないかもしれませんね(笑)」(森川さん)
 
ナポレオンやエジソンのようにショートスリーパーである森川さん。ただし、首の怪我の後遺症治療のため、鍼灸院に通う日だけは、6時間睡眠を心がけているそうです。
 
「鍼は打った後、身体を修復させることで効果が現れるものなので、睡眠が必須なんです。8時間くらい眠ってほしいと先生からは言われているんですが、翌日も仕事があるので6時間。その日だけは仕方がなく眠るという感じですね」(森川さん)
 

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