パン職人の朝はなぜ早い? 駒場東大前の人気パン店「ル・ルソール」オーナーに聞く

パン屋さんというと、朝早くから開店準備をしているイメージ。人気店ともなれば仕込みの手間も尋常じゃないはずで、パン職人の方は何時に起きているのか、その生活が気になります。

 

パンの名店が集中する東京で、本場フランスのブーランジェリー「メゾンカイザー」の流れを組む気鋭のパン屋さんとして人気を集めているのが、駒場東大前の「ル・ルソール」。オーナーシェフとして腕をふるう清水宣光さんに、人気のパンを生み出す職人の生活と、睡眠事情をうかがいました。

修行時代は「出勤時間が朝3時」だったことも!

パン職人の朝はなぜ早い? 駒場東大前の人気パン店「ル・ルソール」オーナーに聞く

「作業開始時間は、開店時間から逆算して決まるんです」

 

パン職人の朝が早いのはどうして? という質問に、ズバリ答えをくれた清水さん。
パンづくりにはさまざまな手間がかかりますが、前日のうちにできる作業は限られているのだそう。そのため、開店時間に間に合うよう当日早朝からの作業となるのだとか。

 

「最近は、個人店だと多くの店が5~6時からの始業なのではないでしょうか。僕も最初に修行した横浜の店では、5時からの勤務スタイルでした。一般的には朝早いかもしれませんが、それでも機械化のおかげでずいぶん楽になったんです。ひと昔前までは1~2時から作業をはじめるという店も多かったようですよ」

 

横浜の店でパン職人としての修行を経験した清水さんは、その後、フランスのブーランジェリー「メゾンカイザー」の日本1号店立ち上げ時のスタッフとなります。メゾンカイザーは、百貨店などにも卸している大手のパン屋さん。勤務はシフト制で、清水さん自身昼夜逆転の生活スタイルを経験したことも。

 

「焼き上げるパンの数が圧倒的に多いため、個人店よりもかなり早く作業をはじめなければなりませんでした。早朝勤務だと夜中の2時ごろに起きて、3時から始業。そこからずっと働いて、13時に太陽を浴びながら帰宅というスタイルでしたね」

 

当時は昼間の13時ごろに家に帰ってもなかなか眠れず、結局寝つくのは夜の9時ごろだったとか。

 

「ヘロヘロになって帰宅し、食事をとって、すぐに寝てしまって、中途半端に起きて…。結局、いつも二度寝をしていましたね。睡眠時間は4~5時間くらい。これは今とあまり変わらないんですが、しっかり寝たな、という実感が全然なかった。その生活を1年ほど続けたのですが、精神的に参ってしまうこともありましたね」

 

しかし、「そういう生活を含めて、パン職人としていい修行になった」と当時を振り返ります。そして清水さんの生活は、次のフランスでの修行時代に一変したそうです。

次のページ:集中して働き、たっぷり休むことを知ったフランス時代のワークスタイル

1 2 3 4