【浜中俊さん】枕が人生の転機に。JRA人気騎手が勝つために重視する「睡眠の余白」

デビュー3年目の2009年に、最高峰のグレードレースであるGⅠ・菊花賞に勝利し、2012年には24歳の若さにして全国リーディングジョッキー(最多勝利騎手)に輝くなど、若き勝負師として注目を集めている浜中俊さん。2015年には、ミッキークイーンで優駿牝馬(オークス)、秋華賞、ラブリーデイで天皇賞(秋)に勝利するなど、目覚ましい活躍を見せています。
騎手といえば、早朝から競走馬の調教を行い、週末には全国各地の競馬場にも遠征、400~500kg台のサラブレッドを御しながら勝利を目指すという超朝型かつハードな職業。そんな世界に身を置き、結果を残し続ける浜中さんの睡眠事情を伺いました。

デビュー当時は寝坊&遅刻の常習犯だった

【浜中俊さん】枕が人生の転機に。JRA人気騎手が勝つために重視する「睡眠の余白」

「子どもの頃は、とにかくよく寝る子でした」と語る浜中さん。しかし“寝ることが大好き”がゆえに、中学卒業後に全寮制の競馬学校に入学してからは、規則の厳しい生活に慣れるのに苦労したそうです。

 

「競馬学校の生活は、5時に起床してすぐに体重を測定し、厩舎で馬房の掃除や馬の手入れを行うことから始まります。7時に朝食、8時からは騎乗訓練、昼食後に授業を受けて、その後は再び馬房の掃除と馬の手入れ。夕食後に最後の手入れがあります。20時からは自由時間ですが、消灯は22時。1から10まで行動サイクルが固定されていて、常に時間に追われている生活は、僕の性格的にとてもしんどく、慣れるまでに半年ほどかかってしまいました」

 

競馬学校卒業後は、滋賀県栗東市にあるトレーニングセンター(トレセン)の坂口正大調教師の厩舎に所属し、騎手デビュー。しかし、トレセンでの調教は、早朝5時、6時などから行われるため、浜中さんは、競馬学校時代よりも過酷な生活を強いられることに…。

 

「平日はミーティングや調教があるので、厩舎のスタッフと同じ時間にトレセンへ行く必要がありました。集合時間は、調教開始の1時間半前と決まっていたので、4時半か3時半。当然それよりも早い時間に起床しなくてはいけないのですが、これまでの人生でそんな時間に起きたことがなかったので、遅刻ばかりしていました

 

起きられないのは、レースのある週末も同じでした。

 

「土日はレース前に調教があるので厩舎へ行くのは深夜1時半や2時半。特に日曜日は、土曜のレースでクタクタだったので、とても起きられなかった。そんな状態だから周囲の方々には相当迷惑をかけていたと思います。実は、僕が初めてGⅠを勝った日も寝坊をしてしまったんです。それで師匠(坂口調教師)からは『もう辞めてまえ!騎手向いてへんわ!』と大叱責を受ける始末…。運良くレースに勝てて、師匠に僕の初GⅠタイトルをプレゼントできたのが、せめてもの救いでした(苦笑)」