【椎名誠さん】35年間、不眠症。“いいかげん”が、唯一無二の対策

眠れなくてもいいじゃないーー
不眠へのいいかげんな接し方が気持ちを楽にした

執筆活動や趣味のキャンプなど、不眠症を抱えながらも、精力的な活動をしている椎名さん。そのバイタリティの源は、「不眠でも、まぁいいか」と思うようになったことが大きいといいます。
「文章を書くという職業柄、不眠症でもそんなにダメージがないなと、気がついたんです。長い時間デスクに座って没頭していると、さまざまなファクターによって脳が必ず興奮している。身体はクタクタに疲れていても、頭はそんな状態だから、寝られるわけがない。明日がある仕事だったら大変だけど、ぼくの仕事はたいした明日がない(笑)。『どっかで眠れればいいや』と思うようになり、長時間のお風呂、映画を観る、音楽を聴く、酒をより飲む、など別のところに神経を移すようになりました」。

 

著書では睡眠薬の常用を告白しており、「ひどいときはほぼ毎日服用している」という椎名さんですが、“不眠ビギナー”の方に睡眠薬は、あまりおすすめできないといいます。

 

「先ほど、不眠対策に決定的なものはないといいましたが、睡眠薬を使えば必ず眠れるんです。ただ、睡眠薬は“ちっちゃなちっちゃな麻薬”のようなもので、身体が薬に慣れてしまう、耐性化してしまうのが問題なんです。ぼくは本などで“睡眠薬がなぜ効くのか”というメカニズムを理解した上で服用しているのですが、それを理解しない状態で服用するのは危険。だから安易に睡眠薬はおすすめできませんね。ぼくはもうなくなってしまいましたが、最初は睡眠薬を使うことへの罪悪感や悩みもあるでしょうし。不眠の知識があっての不眠症と、不眠の知識がない不眠症では大きな差があります。僕はベテランなので、精神の波動に合わせて睡眠薬とうまくつきあっている(笑)。睡眠薬はいずれ処方されるモノなのかもしれませんが、自分の身体のことを一番知っているのは、医者じゃなく自分なので、睡眠薬を使うなら、それとどのように付き合っていくかが大切なような気がしますね」。

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