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1998年、バラエティ番組「ここがヘンだよ日本人」(TBS)に出演し、独特なキャラクターで一躍お茶の間の人気者になったゾマホンさん。以降、さまざまなメディアでの活動を通して母国・ベナン共和国への社会貢献を続け、2002年にはベナン共和国の国民栄誉賞を受賞。2011年には駐日ベナン大使に抜てきされました。

実はその経歴の裏には「居眠り」が深く関わっていたとか!? そのユニークな睡眠生活と、その独特の人生観をうかがいました。

電車で眠るなんてありえない! 平和な日本の風景に驚いた

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今や、ベナン共和国の英雄的存在であるゾマホンさんですが、来日当初は自費留学のために、学費と生活費の捻出に奔走。中野の風呂なしアパートを拠点にして、アルバイトを3つ掛け持ちするハードな日々を送っていたそう。

 

「朝8時から小岩の日本語学校で勉強して、12時ごろに終わるでしょ。それから千葉県にある工場で夕方6時まで働くの。それが終わったら、すぐに中野に帰って中国語の先生のアルバイト。私、日本に来る前は7年間、北京に留学して孔子の思想を学んでいたからね。先生の仕事は時給がとてもよかったけど、1時間しかやらせてもらえなかった。だから夜8時から9時まで1時間だけ教えて、今度は自転車で東中野に行って、深夜の3時まで引っ越しのアルバイト。終わったらもうヘロヘロ。アパートに戻るは朝の4時くらいだったよ

 

帰宅してからも、すぐには眠れず、日本語学校の宿題を終えた後、ようやく布団に入るのは朝の5時。学校の始業時間に間に合わせるため、2時間弱しか眠れなかったのだとか。

 

「日本に来る前はストレスってなんのことかわからなかった。実感がないから。日本に来て初めて、睡眠不足も手伝ってストレスを感じるようになったの。ベナンには『不眠』なんて概念もないからね」

 

日本での睡眠不足の毎日。電車での移動時間はいつしか貴重な睡眠タイムに。

 

「日本に来たときは、電車で寝ている人たちのことを『こんなところで眠ったら危ない。この人たち、おかしいよ!』って思っていたの。他の国では電車で寝ている人なんていないからね。でも日本は平和だから、みんな寝てる。しばらくしたら僕も眠れるようになった。席がないときは立って眠ったよ(笑)

 

だんだん日本の環境に慣れていくゾマホンさんでしたが、その程度では睡眠不足解消にほど遠かったのでは……。

 

「睡眠不足は悩みのもとだよね。病気の原因にもなる。僕もしばらくしたら、胃潰瘍になっちゃった。お医者さんに『ゾマホンさん、このままじゃ危ない。入院してください』って言われたけど、入院なんかしたら、学費が払えない。絶対に入院なんかしないつもりだったよ。でも『そろそろ死んじゃうよ』って言われて、死にたくないから入院した。そうしたらね、病院は天国だったの。1日3食ご飯が出て、睡眠時間もたっぷり。テレビも見られる。29日間入院して元気になったけど、退院したくなくて、『ここが痛い、あそこが痛い』ってウソをついたよ。バレバレのウソでとりあってもらえなかったけど(笑)」

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