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“業界の常識を覆す稼ぎ手”として、一躍話題になったタクシー運転手、下田大気さん。父親は、作家・志茂田景樹さん。有名人の息子という運命も手伝って、下田さんのこれまでの人生は波乱の連続だったといいます。高校時代に芸能界デビューを果たしたものの軌道に乗れず、その後は次々と事業に失敗。借金が膨らみ、二度にわたり自己破産……。自らを「ダメ人間だった」という下田さんの運命を変えたのが、タクシー運転手という職業との出会いでした。そんな下田さんの逆転成功の秘密を探ると、意外にもそこには「睡眠」との深い関係が。タクシー業界のカリスマを支えた眠りの黄金法則をうかがいました。

365日泥酔の毎日が一転、規則正しい生活へ

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タクシー運転手の職につく前は、通販会社、宝石販売代理店、芸能事務所……など、さまざまな事業を手がけては失敗を繰り返していたという下田さん。かつての生活はめちゃくちゃだったと振り返ります。

 

「当時は365日、お酒を飲まない日はありませんでした。誘われるままに飲みに行っては朝まで飲んで泥酔し、気絶するように眠る……なんてことが日常。そんな乱れた生活でも会社を経営する立場だったので、二日酔いで翌日昼ごろに出社しても誰にも文句は言われなかったんですよね」

 

そんな下田さんに転機が訪れたのが、2009年。かつてお世話になったある人が兼業でタクシー運転手に転職していたことを知り、再起をかけて自らも業界に飛び込むことを決意。そこから人生が一変したそうです。

 

「タクシー運転手となって、はじめて人に必要とされていることが実感できたんです。お客様の要望通りに目的地にお送りして、その対価としてタクシー運賃をもらう。しかもお客様から感謝もしていただける。非常にシンプルで喜びのある仕事だな、と。さらにお給料に関しても、がんばればその分結果がついてくるというわかりやすいシステムで、目標が立てやすい。それが非常に気持ちよかったんですよね」

 

「人の命を預かる仕事」であるという意識から、不規則だった生活も激変。体調管理を第一に考えるようになったことで、浴びるように飲んでいたお酒も自然と減っていったそう。

 

「体調不良は命に直結するし、効率が落ちればお給料にも響きます。責任感と時間の使い方への意識が生まれたんです。結果的にですが、かつての遊び仲間と時間が合わなくなったことも非常によかったと思いますね。昔は誘われたら無意識に遊びに行ってしまったんですが、それができなくなったことで、“なあなあ”にしていた人付き合いにメリハリができました」

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